記憶と歴史【展示風景】

平野薫《machine》2018

2018年7月22日から9月24日にかけて箱根のポーラミュージアムで平野薫さんの個展「記憶と歴史」が開催されました。

http://www.polamuseum.or.jp/hiraku_project/05/

これまでと同じように糸を素材にしながら、しかしこれまでとはまるで違う方法によってつくられた新作《machine》は、さらに平野さんの作品制作の動機を明瞭に示していました。30分に一度の間隔で、けたたましい音を撒き散らしながら動き出す工業用ミシンは、視点をぐっと下げて色とりどりの(しかしどこかチープな色合いの)色車がまるで人間の一人ひとりのようだと見えた瞬間に、重層的な意味をまとい、歴史を開きます。戦後日本の高度経済成長と暮らしを支えた工業用ミシンは、戦時中の重機関銃製造にルーツを持っていました。

この新作が提示されることによって、これまでのドレスや傘を糸の一本一本にまで解いた作品の意図も、これまでとはことなる響き方を得ていたように見えました。

 

2018年12月31日(月)

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