【展示紹介 07】虚と光

加賀城健《Young Views》 photo: Masakazu Ohnishi

色鮮やかな染色作品が、壁と床に広がっています。

福本繁樹が染める布は、どれもほのかに発光しているかのようです。もちろん本当に光っているわけではありません。隣り合う色同士の色価の差異によって、私たちの目がそのように見てしまうだけなのです。一つひとつの色に価値や意味を与えるのではなく、その関係がもたらす現象に関心をいだく福本は、虚と実のあわいのゆれ動きを布にとどめようとします。

加賀城健もまた、染の本質を探究することでその可能性をひらこうとします。例えば油絵は、画布の上に絵具が盛りあげられてできていますが、染は布のなかに染料が染みこんでできています。布の上(あるいは向こう側)に広がっているかのように見える景色が、実はごく薄い布の中にある。そのことから導かれる虚実のゆれ動きを、加賀城は新作《Young Views》の下に銀色の箔を貼りこみ、光を誘うことでいっそう活性化させるのです。

福本繁樹《百華千態万象》(部分) Photo: Masakazu Ohnishi

2018年02月10日(土)

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