【展示紹介 04】素材と表現

photo: Masakazu Ohnishi

格子柄の着物と、刺繍が施されたシャツがあります。

髙木秋子が織る着物は植物染によるやわらかな色合いで、目にも暮らしにもスッとなじむものでしょう。よく見ると、わずかに差し色が施されていたり、見えないはずの色が感じられたりすることもあります。風通織という二重織の特性をいかして、裏の色が表にわずかに照りはえることを計算してのこと。抑制された全体のなかに、素材となる糸の美しさを最大限に引きだそうとしていた高木のこだわりが、細部として宿っています。

自由奔放なヌイ・プロジェクトのシャツからは、針や糸とたわむれる作り手のよろこびが伝わってきます。なにかを表現するための創作ではなく、日々の作業の積みかさねとしてのかたちが、素材の美しさを純粋に見せてくれるのです。なかにはシャツそのものがゆがんだり、破れたりしているものもありますが、作業の果てにそうなってしまったところに、唯一無二の魅力がそなわっているのです。

 

2018年02月02日(金)

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