ネットの森

今回の展覧会で出品予定の堀内紀子さんの作品は、1977年に制作された《浮上する立方体の内包する空気》(京都国立近代美術館蔵)という、堀内さんが「布ってなんだろう?」というひとつの疑問から出発して、「布の本質は空(間)である」という結論へと至る過程で生まれたものです。

同時にすでにその同じ頃から、堀内さんはカラフルなネットによる「集団ハンモック」の作品を手がけていました。1990年には夫のマッカーダムさんとInterplay Design & Mfg. Inc. をカナダで設立されて、これまで数多くのネットによる作品を実現されています。箱根 彫刻の森美術館の《ネットの森(贈り物 未知のポケット 2)》は代表作のひとつで、この夏リニューアルされて新たにたくさんの子どもたちを迎え入れているようです。

http://www.hakone-oam.or.jp/exhibitions/article_reg.cgi?id=824079

以前、堀内さんがネットによる作品について語ってくださったことがあります。「ネットの中で子どもたちは自由奔放に遊びます。登ったりぶら下がったり、何層にも重なった袋状の空間をくぐったりしながら、全身を使って遊びます。最上層では伸び縮みするネットの上で飛び跳ねたりでんぐり返りをしたり、ネットの揺れはバイブレーションとなって他の子どもにも伝わり、見知らぬ同士がいっしょに遊びはじめるなんてこともあります。あるいは何もせずにじっとしているだけでもいい。他の子どもの動きに合わせてネットが揺れ、自分の体も揺らぎ、楽しい気持ちになります。競い合うのではなく共鳴し合い、みんながそれぞれ自分のペースで楽しめて、笑いあえるんです。そんな社会って素敵だと思いませんか。」

《ネットの森(贈り物 未知のポケット2)》2008-09年、箱根 彫刻の森美術館 撮影:小泉正樹

忘れられない言葉です。

2017年08月16日(水)

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