【展示紹介 03】糸のすき間と空気のかたまり

堀内紀子《浮上する立方体の内包する空気》(部分)京都国立近代美術館蔵 photo:Masakazu Ohnishi

床の上に置かれた立方体と、宙に浮かぶ立方体があります。

熊井恭子の《AIR CUBE》は、ステンレススティールの糸の一本一本がまるで生き物のようにうごめき、絡みあってできています。これは熊井の手でふくらまされた布なのです。立方体のオブジェに仕立てあげることで、風になびく布の軽やかさや風のそよぎそのものまでもが体現されるというおもしろさ。変幻自在な布のたたずまいにため息がもれるようです。

堀内紀子の《浮上する立方体の内包する空気》は、布をつくっているのが糸という物質そのものではなく、糸と糸が交わってできるすき間、その関係性であることを見せてくれます。布が空気をはらんでいるのではなく、もはや空気の布と言うべきかもしれません。堀内はさらに、糸の素材と色を少しずつ変化させながら、12枚の布を重ねていくことで関係性に奥行きを与え、空気のかたまりを見せるという機知をうつくしく実現しています。

 

熊井恭子《AIR CUBE》群馬県立近代美術館蔵 photo: Masakazu Ohnishi

2018年01月29日(月)

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