これから

特別展
ティンティン・ウリア:共通するものごと

2024年9月21日(土) — 2025年1月5日(日)

Fallen [still], 2011
Courtesy of the Artist

ティンティン・ウリアの芸術的実践と研究に大きな影響を及ぼしてきたのは、民族的なマイノリティである中国系バリ人である自身の出自、さらには、1965-66年に起こったインドネシア大虐殺のときに行方不明となった祖父の存在です。幼少期から差別を受けてきた経験をもつウリアは、人々が作り出した境界と、その境界を維持するために人々が繰り広げる戦争に関心を抱き、多領域にわたるインスタレーションや映像作品を通して、こうした問題を伝えてきました。ウリアは、個人的な体験に立脚した芸術的実践を通して、私たちの身の回りにあるものごとが、美的要素を獲得することで、人々をつなぐ「共通するものごと」になり得ることに次第に気づくようになります。現在、こうした美的オブジェクトがいかに社会的・政治的変革に結びつくかを調査するプロジェクトを進めています。
日本での初個展となる本展では、比較的初期から現在に至る作品を紹介します。個々の記憶を含む個人的背景が、いかに集団的な行動や、他者との社会的繋がりへと変容し得るのか、という点に着目するウリアの芸術的試みの変遷を、作品を通して体験する機会となります。

展覧会チラシ

Fallen [still], 2011
Courtesy of the Artist

Subtext - after Kawara's Title, 1965, 2019
Installation view at Van Every/Smith Galleries of Davidson College, NC, USA, 2019
Photo: Gordon Ramsey
Courtesy of the Artist

Absence in Substantia: Density [detail], 2023
Photo: Christian Capurro
Courtesy of the Artist

Liminal Death, 2023
Courtesy of the Artist

Some Memory Unfurls [detail], 2024
Courtesy of BAIK ART

Memory is Frail (and Truth Brittle) [detail], 2019
Courtesy of the Artist

基本情報

会期
2024年9月21日(土) — 2025年1月5日(日)
開館時間
10:00–17:00

※入場は閉館の30分前まで

会場
広島市現代美術館 展示室B-1ほか
アクセス
休館日
月曜日(ただし9/23、10/14、11/4は開館)、9/24(火)、10/15(火)、11/5(火)、年末年始(12/27—2025/1/1)
観覧料
一般1,100円 (850円)、大学生800円 (600円)、高校生・65歳以上550円 (400円)、中学生以下無料
※( )内は前売り及び30名以上の団体料金

【前売券】
オンラインショップ「339」
チケットぴあ〈Pコード 687-042〉
※販売は9月20日(金)まで
※広島市現代美術館の受付でも販売しています
割引
【文化の日】11月3日:全館無料

県美×現美×ひろ美 相互割引

アーティスト・プロフィール

Photo: Daris Jasper/Culture Saving

ティンティン・ウリア

1972年、インドネシア、デンパサール生まれ。オーストラリア、イギリス、スウェーデンを拠点に活動。国際的に活躍する学際的なアーティストで、HDKヴァランド芸術デザインアカデミー(イェーテボリ大学、スウェーデン)の上級研究員。テキスト、映像、サウンド、絵画、ドローイング、ダンス、インスタレーション、パフォーマンス、公共介入などを通して、社会的、地政学的な国境を越えた複雑なパワー・ダイナミクス(権力の力学)をインターフェイスとして探求し、実践的かつ概念的にこれらのテーマに取り組んでいる。最近の個展に「ティンティン・ウリア:秘密」RMITギャラリー(メルボルン、2023)、「ティンティン・ウリア:開示」Baik Art(ジャカルタ、2023)がある。

https://tintinwulia.com/
https://linktr.ee/tintinwulia

イベント・カレンダー

開館時間10:00-17:00
TEL082-264-1121