これから

オープン・プログラム
ミーティングポイント:出会う、知る、交換する

2024年9月21日(土) — 11月4日(月・休)

Make Your Own Passport, ongoing since 2014
Thingstigate Public Launch at Vetenksapsfestivalen/Gothenburg Science Festival 2023
Photo: Per Larsson

このたび広島市現代美術館では、特別展「ティンティン・ウリア:共通するものごと」の開催にあわせて、オープン・プログラム「ミーティングポイント:出会う、知る、交換する」を実施します。本プログラムは、いわゆる展覧会の形式ではなく、来場者が自由に学び、知り、考え、意見を交換することで、自発的な行動へとつながっていくような、ラーニングの機能を備えた空間となります。
 

事実を知り、歴史に学ぶ

ウリアの芸術的活動の背景には、母国インドネシアでかつて起こった社会的動乱に巻き込まれた家族の経験、そして家族によって語られることで継承されていく記憶、あるいは集合的記憶、トラウマ、民族的マイノリティという出自、などが看取されます。1965年の政変が巻き起こした動乱や惨劇など、インドネシア近代化の歴史について、また、ウリアが関心を寄せる昆虫の生態について、書籍や映像を通して知り、学んでみませんか?

ティンティン・ウリアの幅広い活動や研究内容をもっと知る

ウリアはアーティストとして個人で活動するだけでなく、これまでにさまざまな領域の人々と協働してきました。それらの協働の一部は、作品として結実するほか、知を共有するためのプラットフォーム(→ 1965 Setiap Hari)を構築したり、大規模な研究プロジェクト(→ THINGSTIGATE-Things for Politics’ Sake: Aesthetic Objects and Social Change)を牽引しています。ここでは、こうした活動の一端を紹介することで、ウリア作品のより深い理解へといざないます。

エリア紹介

@THINGSTIGATEエリア
私たちの身の回りにある、ありふれたものごと(common thing)が、どのように「共通するものごと(thing-in-common)となり得るのか、という調査研究を行っているThingstigateチームによるインタラクティブなプロジェクトを実施します。来場者はここでプロジェクトに参加することで、「もの」や「できごと」の見え方や関わり方がどのように変わるのか、また、それらがどのように、私たちを結びつけるのか、体験する機会となります。

@1965 Setiap Hariエリア
1965 Setiap Hariの活動を紹介するだけでなく、メンバーのひとりである写真家による写真作品を通して、1965年に起こったインドネシア大虐殺について後世に伝え、つなぐ試みを紹介します。

@リーディングエリア
インドネシア(歴史、社会、政治、文化等)に関する書籍のほか、ウリアの作品に関係する書籍を配架します。何時間でも滞在可能、自由に閲覧いただけます。

@スクリーンエリア
ウリアが過去に発表した各種映像資料のほか、記憶の継承を考察する契機としてヒロシマ関連の映像も紹介します。
なお、本プログラム会期中に、インドネシア関連のショートフィルムを鑑賞し、その内容について参加者全員でディスカッションする参加型イベントを実施します。詳細および申込受付は9月頃にご案内します。


→ 1965年、インドネシア大虐殺とは?
第二次世界大戦後、米ソ二大国を軸として世界を東西に二分した冷戦の最中にあった1965年、インドネシアでは、社会主義と反共主義の対立が激化。9月30日に起こった軍の一部によるクーデター未遂を皮切りに、軍は共産党に対する弾圧を強化する。地方の民兵組織や宗教団体なども加わり、共産主義者や左派の活動家(とみなされた人々)を標的とし、組織的な虐殺が繰り返された。

→ 1965 Setiap Hari(1965セティアップ・ハリ)とは?
2015年に発足したリサーチ・リレー・コレクティブで、世界中のさまざまな地域、および専門領域で活動する10名で構成される。1965-66年にかけてのインドネシア大虐殺をめぐる複雑な物語をリサーチ、収集。そのリサーチ活動のプラットフォームとしてSNSを利用しており、最初はブログとフェイスブックでの発表からスタート、徐々にツイッター(現X)、インスタグラム、ポッドキャストへと拡大している。
1965SetiapHari

→ THINGSTIGATE(シングスティゲイト)とは?
アートによって社会や政治の変革がどのように起こるのかを明らかにすることを目的とした研究プロジェクト。その方法として、その変革が、美的オブジェクトを基軸に、「想像力」「感情」「社会政治学的制度」で構成される枠組みのなかで発生するという仮説を立て、過去の参加型アートのアーカイブ分析、日常における参加型アートの実施、美的オブジェクトの追跡調査を行う。
THINGSTIGATE-Things for Politics’ Sake: Aesthetic Objects and Social Change

基本情報

会期
2024年9月21日(土) — 11月4日(月・休)
開館時間
10:00—17:00

※入場は閉館の30分前まで

会場
広島市現代美術館 展示室B-3
休館日
月曜日(ただし9/23、10/14、11/4は開館)、9/24(火)、10/15(火)
観覧料
無料
主催
広島市現代美術館
協力
The University of Gothenburg, Swedish Research Council/ 'Protocols of Killing: 1965, distance, and the ethics of future warfare', and the European Research Council/'Thingstigate'

イベント・カレンダー

開館時間10:00-17:00
TEL082-264-1121