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第9回ヒロシマ賞受賞記念
第9回ヒロシマ賞受賞記念 ドリス・サルセド展
世界最初の被爆地である広島市は、世界の恒久平和と人類の繁栄を願う「ヒロシマの心」を美術を通して世界へ訴えることを目的とし、1989年にヒロシマ賞を創設しました。広島市現代美術館では、その第9回ヒロシマ賞の受賞者となったドリス・サルセドの受賞記念展を開催します。
1958年にコロンビアの首都ボゴタに生まれたドリス・サルセドは、自国コロンビアをはじめ、世界で横行する暴力や差別などに対して、芸術が強い抵抗の力を持ち得ることを一貫して示してきた作家です。
1980年代後半から、ボゴタを拠点に、サルセドは日常の家具や衣服などを彫刻として再生させながら、暴力による犠牲者の記憶を静かに訴える作品を制作してきました。寡黙でありながら、人を引きつけるその作品は、扱われるテーマを見る者の心に強く訴えかけます。最近では大規模なインスタレーションと都市や建築に介入するような作品によって世界的な注目を集めています。
日本で初めての展覧会となる本展で、サルセドは展示室全体を死者を悼むための場に変容させながら、再生への願いを込めた作品を展示します。被爆70周年をまもなく迎えようとするなか、人類史上類を見ない暴力がもたらしたヒロシマの悲劇を、これからどのように世界に伝えていくのかを考える貴重な機会となるでしょう。
ドリス・サルセド Doris Salcedo
1958年生まれ、コロンビア共和国ボゴタ出身・在住。ボゴタ大学で美術の教育を受けたのち、渡米し、ニューヨーク大学大学院で彫刻を学ぶ。その後ボゴタへ戻り、コロンビア国立大学で後進の指導に当たりながら、制作活動を続ける。
主な個展に2007年「Shibboleth」テート・モダン(ロンドン)、2010-13年「Plegaria Muda」、Mederna Museet,Malmö(スウェーデン)、Fundação Calouste Gulbenkian(リスボン)ほか巡回。2015年にはシカゴ現代美術館など、アメリカを巡回する大規模な回顧展が開催される予定。
このほかヴェネチア・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレなど、国際美術展にも多数参加している。
基本情報
※入場は閉館の30分前まで
※7月20日、21日、10月12日、13日は19:00まで
※( )内は前売り及び30名以上の団体料金
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