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特別展
フランシス・アリス展
メトロポリスを歩く、海峡を渡る。
世界は歩くことから見えてくる。
建築家としてスタートしたフランシス・アリス(1959年ベルギー生まれ)は、1980年代にメキシコに移り住んでから美術家としての活動へと移行していきました。街の中を歩き回り、アクションを行い、これをドローイング、絵画、映像、写真など、多様で横断的な方法によって作品へと作り上げていきます。アリスが試みた、1日中大きな氷の塊を押し続ける、竜巻の中に飛び込む、といった子どもの遊びのような行為は、大変な労力を費やしてもそれが報われない社会の矛盾や不条理を浮かび上がらせます。
本展はアリスが移り住んだメキシコシティを舞台に、アーティスト自身が様々なアクションを行った初期の代表作の数々から、ヨーロッパとアフリカを隔てるジブラルタル海峡を、2つの大陸双方から渡る子どもたちの列によって橋のように繋ごうと試みた壮大な新作プロジェクトまで、アリスの勇敢な実践を本格的に紹介します。
具体的な行為によって社会的、政治的な問題を寓話化していくアリスの手法は、高い国際的評価を得てきました。詩的で親しみやすい物語の力によって、作品は多くの人が共有出来る普遍的なテーマを帯びています。歩くことから世界を見つめ、日常の中から物語を紡ぎ出すアリスは、現実のジレンマに対しても、新たな打開へとうながす想像力の豊かな可能性を私たちに気がつかせてくれます。
フランシス・アリス Francis Alÿs
1959年ベルギー、アントワープ生まれ。メキシコシティ在住。ヴェネツィアで建築を学んだ後、1986年にメキシコに渡る。建築家として活動をはじめるも80年代末よりアーティストとして作品制作を行う。メキシコをはじめラテンアメリカ社会の寓意に満ちた作品を制作、90年代後半より数々の国際展に出品している。ロンドンのテート・モダン(2010年)、ニューヨーク近代美術館(2011年)で大規模な個展が巡回開催。ドクメンタ13(2012年)に参加。
基本情報
※入場は閉館の30分前まで※1月25日、26日は19:00まで
- ( )内は前売り及び30名以上の団体料金
- 11月3日(文化の日)は全館無料
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