Title
皿の上の炎
Artist
上田薫
Year
1988
Material
油彩・キャンバス

作品解説

生卵やゼリー、サラダ、コップに入った水などの身近な対象を精巧に描くことで知られる作者は、時に自らの技法を「クソリアリズム」と称することがあります。目では捉えることのできない瞬間を写真に撮り、それをキャンバスに投影して見えるとおりにひたすら描いていくと「頭の中が空っぽになる」と言います。対象に写り込む光沢や向こう側に透けて見える形を描き込むことが、現実以上のリアリティを獲得するポイント。本作においても、ナイフやフォーク、皿が炎の光を照り返し、家族写真は揺れる炎越しの姿を見せています。感情を排した描写がかえって戦争の無慈悲さを感じさせます。

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