Title
黄土による赤・褐色のヒロシマのための作品
Artist
伊藤公象
Year
1988
Material

作品解説

10代半ばに九谷焼の窯元に弟子入りし伝統的な陶芸の技術を身につけ、やがて人の手によって作為的に形が生み出されることに懐疑的になった作者は、土を主な素材としつつ、人為と自然の境界に位置するような独自の造形世界を開拓してきました。本作は黄土を紙箱に詰めたまま焼成したユニットを矩形の床に敷き詰めるように並べたものです。そこには広島産の牡蠣殻や広島市内の土が混ぜられています。焼成温度の違いにより生まれる赤や褐色などの様々な色相、ブロック状の形を保つもの、あるいは焼け崩れてほとんど焼土と化してしまったものなど多様な表情を見せる黄土のテクスチュア。足元に広がる光景は、灼熱にさらされたかつての広島の大地を連想させます。

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