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作品解説
若干22歳で華々しく美術界に出現した作者は、1969年に突如、日本を去り、活動の拠点をミラノに移します。ひとところに定着することに対して抱く居心地の悪さは、漫画、絵画、イラストレーション、絵本、巻物、掛け軸、セラミック他、作品制作において複数ジャンルを自在に横断した事実だけでなく、作家名を本名の「立石紘一」から68年に「タイガー立石」そして90年に「立石大河亞」と改名してきた経歴からも窺えます。60年代の絵画には、西部劇をはじめとするアメリカ映画や黒澤映画、毛沢東の中国ほか、当時のさまざまな事象や観念が主題として描かれました。具体的なモチーフのみを用いながらも、リアリティを巧みに昇華させた、シュルレアリスム的な空間が構築されています。
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