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収蔵作品展 2005-Ⅲ
おわりの風景, また はじまりの風景.
「ヒロシマ」とは、被爆都市としての側面に焦点をあてた、広島のもうひとつの呼び名です。それと同時に、広島の被爆から人類が突入した核の時代において、平和のシンボルとなる都市の名前でもあります。また、平和を望む人々がその言葉を口にするとき、広島の惨事のみにとどまらない、今日の戦争や暴力をめぐる広範な問題群が視野に収められています。
広島市現代美術館はこれまでに、「ヒロシマ」に関連する作品の収集と、制作委託によって特色あるコレクションを形成してきました。この制作委託では「ヒロシマ」をテーマに、それぞれの作家たちによる応答として作品が生み出され、全く新しい「ヒロシマ」の解釈に出会うことができます。
今回の収蔵作品展では、この「ヒロシマ」に関わる作品を紹介します。前半部分にあたる「おわりの風景」では、原爆の投下をひとつの「おわり」ととらえ、それによって広島にもたらされた風景をテーマとしています。悲惨な情景の描写だけにとどまらない表現は、見る者の意識を刺激し、被爆という出来事の意味を繰り返し考える契機をもたらします。
また、後半部分は「また はじまりの風景」と題しています。この章ではまず、生命の再生や都市の復活など、再びもたらされた生の風景を紹介します。それに続くのは、新たな危機の到来という、もうひとつの「またはじまり」です。そこでは現在もなお存在する核の脅威をはじめとした、現代の問題が描き出されています。私たちが生きているのは、いのちの再生が祝福される一方で危機が繰り返し訪れる、両義的な「ヒロシマ」以後という時代にほかなりません。
出品作家
鴫剛、村上善男、清水九兵衛、宇佐美圭司、ナム・ジュン・パイク、ナイジェル・ホール、草間彌生、たべけんぞう、大岩オスカール幸男、アンソニー・グリーン、河口龍夫、絹谷幸二、殿敷侃、立石大河亞、ヤノベケンジ、ギュンター・ユッカー、会田誠、椿昇、大竹伸朗、福田美蘭、北山善夫
基本情報
※入場は閉館の30分前まで
- ( )内は前売り及び30名以上の団体料金
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